痛風関連

痛風とは

ある日突然、足の親ゆびの付け根の関節が赤く腫れて痛みだします。人によっては足首であったり、足の甲であったりとまちまちです。痛みは激烈で歩けなくなるほどの痛みです。風が吹いても痛いということで痛風といいます。この痛風発作は1週間から10日たつとしだいに治まって、しばらくすると全く症状がなくなります。

ただし油断は禁物で、半年から1年たつとまた同じような発作がおこります。そして繰り返しているうちに、足首や膝の関節まで腫れはじめ、発作の間隔が次第に短くなってきます。このころになると、腎臓などの内臓が侵されるようになってきます。

痛風は圧倒的に男性に多い病気で、女性は100人に1~2名しかいません。

痛風の原因

痛風発作の原因は尿酸という物質です。尿酸はどんな人のからだの中にも一定量あって、血液などの体液に溶けて循環し、尿の中に濾し取られて捨てられます。ところが、何らかの原因で血液中の尿酸の濃度が上昇して飽和濃度を越えると、からだの中に蓄積してきます。溶けなくなった尿酸はナトリウムと塩(えん)を作り、結晶になります。尿酸の濃度が高い状態が続くと、この尿酸塩の結晶が関節の内面に沈着してきます。痛風発作は、尿酸塩に対してからだの防御機構である白血球が反応し、攻撃する時に起こります。

尿酸塩が関節に溜まると痛風発作になりますが、他の臓器にも溜まります。なかでも腎臓には尿酸が溜まりやすく、痛風発作のある人は腎機能に注意が必要です。さらに、痛風の患者さんでは心筋梗塞や、脳血管障害などの生命を脅かす成人病を合併する割合も高いのです。痛風発作の激痛は「尿酸が体に溜まっているよ、治療が必要だよ」という神様の警告と考えるべきでしょう。

痛風にかかったら

  1. 関節の違和感やむずむず感などの発作の前触れがあるときにコルヒチンを1錠服用します。それにより発作を予防したり軽減することができます。
  2. 発作が起きてしまったら、まずは患部を冷やすこと。そして患部を心臓より高くします。お風呂で温めると悪化します。
  3. 発作の起こった関節を安静にすること。マッサ-ジなどもってのほかです。
  4. 禁酒。
  5. バファリンなどのアセチルサリチル酸(アスピリン)はたくさん飲むと発作がひどくなりますので使わないほうが良いでしょう。解熱剤として処方された坐薬があればそれを使っても良いでしょう。
  6. 出来るだけ早く医師に受診すること。

食品中のプリン体含有量

・『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』には『生活指導』の中に食事療法、特に『1日400mgを目安にしたプリン体の摂取制限』が示されています。

・食事から摂取されるプリン体は体内で最終的に尿酸に代謝されて体内の尿酸蓄積量を増大させます。そのため、肉や魚介類をたくさん食べると痛風になりやすいことが知られています。

・また、アルコール飲料では、含まれるプリン体量はあまり多くはありませんが、アルコールの作用が加わって尿酸値が上昇します。お酒を毎日飲む人は痛風の危険度が2倍で、特にビールを飲む人の危険度が高いと報告されています。

【尿酸値を上げない1日の飲酒量の目安】

種 類 ビール 焼酎 ウィスキー 日本酒 ワイン
量(mL) 500 90 60 180 180

・プリン体は食品中では旨味の成分であり、核酸中に多く含まれます。そのため、細胞数の多いもの、細胞分裂の盛んな組織にプリン体が多くなっています。

・蒸留酒にはプリン体はあまり含まれず、醸造酒の方が多いです。
特に、地ビール、紹興酒には10mg/100mL以上のプリン体が含まれます。
・実際量に換算すると、通常のビールには1缶あたり12~25mg/350mL、大瓶1本あたり21~44mg/630mL、地ビールには1本当り19~55mg/330mL、紹興酒には1合当たり21mg/180mLのプリン体が含まれることになります。

・量的には多くないにもかかわらず、ビールを1缶毎日飲む人では6年間に血清尿酸値が0.5~1.0mg/dL上昇すると報告されています。

・食品はそのプリン体の含有量に応じて

300mg以上 極めて多い 鶏レバー・真イワシ・白子・アンコウ肝・鰹節・干しシイタケなど極めて多い
200~300mg 多い 豚レバー・牛レバー・カツオ・オキアミ・真アジ・サンマ乾物・大正エビ
50~100mg 少ない 豚バラ肉・豚ロース肉・
50mg以下 極めて少ない コンビーフ・ウインナー・魚肉ソーセージ・

と分類されています。

・水分を十分に摂りましょう;尿酸は尿から排泄されるため、尿の量が増えれば体内の尿酸が体の外へ出やすくなります。心不全や腎不全で水分制限の指示を受けているような場合を除いて、1日2Lを目安に摂りましょう。

・近年、健康食品ブームですが、その中に多量のプリン体を含む(400~21500mg/100g)ものがあります。他の食品と合わせて100g換算にした為多くなっていますが、1日量に換算しても64~215mgが含まれます。これは1日の目安である400mgの半量にあたります。これらの健康食品の服用には注意が必要です。

・プリン体は美味しいものに多く含まれます。プリン体だけを減らすのは難しいので、食事量を全体的に減らして、その中に美味しいものを少し入れると良いでしょう。プリン体を制限しすぎて栄養失調になった例もありますので、あまり制限せず『食べ過ぎ・飲み過ぎを避け、美味しいものを適量食べて、集に3回程度は適度な運動(有酸素運動)をし、ストレスを減らす』生活が奨められます。激しい運動はエネルギーの燃えかすである尿酸が増え、尿酸値を上げる原因になるので要注意です。

高尿酸血症の治療

  1. 尿酸降下薬;尿酸生成抑制薬と尿酸排泄促進薬の2種類があります。
  2. 尿酸値は急に下げると関節などに沈着していた尿酸の結晶が一気に溶け始めることがきっかけで、痛風発作が起こることがあります。
  3. 尿酸値は6.0mg/mLの目標値まで下げたら、その値をしっかり維持しましょう。ふつうはこれ以下に保つことにより痛風発作は起こらなくなります。

知っておくとトクをするワンポイント知識

  • 尿酸値が高いからといって、すぐに痛風発作が起こるわけではありません。発作は5年くらい高い状態が続くと起こりやすくなります。
  • プリン体ゼロのビールに替えてもアルコール自体で尿酸値は上がります。
  • 焼酎はアルコール度数がビールよりも高いため、沢山飲むと尿酸値は上がりやすくなります。
  • アルコールの中ではワインは尿酸値を上げにくいので、グラス1杯くらいであれば大丈夫です。
  • 牛乳などの乳製品はプリン体が少なく、尿酸を排泄する働きがあります。
  • コーヒーも尿酸値を下げるので、1日3杯ぐらいならば良いです。
  • 野菜や豆類のプリン体は比較的高く見えますが、それほど尿酸値を上げないので制限の必要はありません。
  • 食事からつくられる尿酸は2割で、残りの8割は体内の細胞の新陳代謝などによってつくられます。
  • 厳格な食事制限をしても5mg/mL程度しか尿酸値は下がりません。
  • 尿酸値が5年くらい高くて発作を起こした方では、関節内にたまった尿酸がなくなるまでには少なくとも5年以上かかります。その間は再び発作が起こる可能性があります。
  • 薬を飲めば尿酸値は低下しますが、やめてしまうと2日くらいで尿酸値は元に戻ってしまいます。