新型コロナワクチンについて

  • ワクチン接種の利点と欠点

・利点

・重症化しにくくなる、もしくはしなくなる効果が認められていること
・現在までに知られている変異にはすべて対応していること
・弱毒生ワクチン(現在開発中)と違いすべての患者で投与が可能であること

・欠点

・ワクチンの種類が今までにないものであること
・アナフィラキシーなどの重篤なアレルギー反応や局所の強い反応が認められている
・今後のウイルスの変異に対応できるかどうかがわからないこと

  • 新型コロナウイルスにかかったときのハイリスクとは

・高齢者、肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満があげられます。
・年齢については30歳代と比較した場合の60歳代の重症化率は25倍になると報告されています。

  • ワクチンの種類について

・新型コロナウイルスに対し使用されているワクチンは大きく分けると2種類になります。メッセンジャーRNAワクチンとウイルスベクターワクチンです。
・メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンはウイルスが作られるときの鋳型になるメッセンジャーRNAの一部(ウイルス表面のスパイク部分)を取り出し、化学的に合成したものです。体内に入るとウイルス蛋白の一部だけが作られ、免疫応答が起こります。
・ウイルスベクターワクチンはウイルスのRNAの一部をアデノウイルスベクターに組み込んで化学的に合成したものです。ベクターは細胞内にウイルスRNAを運びウイルス蛋白を産生させ、免疫応答が生じます。
・これらのワクチンはいずれも全ウイルスの形では体内に入らないため新型コロナウイルス感染の原因になることはありません。

  • リウマチ患者はハイリスクと考えられますか?

・現時点で重症化のリスクにリウマチ性疾患およびステロイド・免疫抑制剤の投与は含まれていませんが、日本リウマチ学会ではリウマチ性疾患患者でステロイドをプレドニゾロン換算で5mg/日以上または免疫抑制剤、生物学的製剤、JAK阻害剤のいずれかを使用中の方を接種順位の上位に位置付けました。
厚生労働省による新型コロナワクチン手引きにも、ステロイドや免疫抑制剤で治療を受けている方は、基礎疾患のある人として優先的に接種するよう推奨されています。
・アメリカリウマチ学会の提言ではリウマチ性疾患のすべての患者に推奨するとしています。
・リウマチ患者さんがワクチンを打つタイミングとしては、リウマチ自体の活動性が高い場合、抗体ができにくい可能性が指摘されています。活動性が落ち着いているタイミングで打つのが理想ですが、今回のワクチンは、患者さんの要望によって、打つタイミングを選べるかどうかについては、今後の調整の中で明らかになると思います。

  • ワクチンの効果は具体的にどの程度期待できますか?

・わかりやすく言うと、インフルエンザのワクチンよりは効果が期待できます。
・しかしながら、現在販売されているワクチンで完全に新型コロナウイルスの感染を防ぐことはできません。
・mRNAワクチンによる予防率は94.1~95%程度で、ウイルスベクターワクチンの予防率は70.4%でした。

・重症化リスクについて

・mRNAワクチンでは投与による重症化の予防率は88.9-100%でした。
・ウイルスベクターワクチンではワクチン投与群で0/5807名、プラセボ群で10/5829名だけが重症化しました。
・一部のワクチンでは投与終了後90日間は抗体が認められていますが、それ以上の長期報告はありません。ただし、ワクチンによる予防率が100%でなかったとしてもワクチン接種を行った人が増えることによってウイルスの広がりが抑制され感染爆発が避けられることが期待できます。これを集団免疫といいます。集団免疫は大体70%近くの方に抗体があれば成立すると考えられています。

  • ワクチンの副反応について

・局所反応
接種部位の皮内反応は6-80%に出現し、その多くは疼痛で発赤や腫脹は10%程度です。ほとんどの症状は1週間以内に消失したとのことでした。

・全身反応
全身反応の頻度は3-80%でした。頭痛・全身倦怠感・筋痛・関節痛・悪寒が主な症状で、2回目投与時に頻度が上昇していました。若年者で副作用の頻度が多い傾向がありました。

・アナフィラキシー
緊急認可後のアメリカでmRNAワクチンの市中接種をおこなったところ、1,893,360接種あたり21例のアナフィラキシーの報告がりました。現時点での発生頻度は100万接種あたり11.1件で、発生までの所要時間は15件で15分以内に出現、中央値は13分、範囲は2-150分でした。
・背景としては17/21例にはアレルギーの既往、7/21例ではアナフィラキシーの既往がありました。確認可能であった20例は回復し、帰宅可能でした。
・小樽市民全員が接種した場合、計算上は1例のアナフィラキシーがみられることになります。

  • ワクチンの接種前後で、免疫抑制剤やステロイドを中断する必要はありますか?

・その必要はありません。通常通り薬は続けていて構いません。

  • 一度感染した患者もワクチンを打つべきでしょうか?

・感染後は抗体ができますので再度感染しても重症化しにくくなります。さらに重症から脱した場合にはより多くの抗体ができると言われています。しかし、感染後徐々に抗体は少なくなっていきますので、できれば抗体の検査を行った上で検討することが理想です。その場合、どの程度の抗体検査が一般の医療機関で可能かどうか、そしてどの程度の抗体があれば打つ必要がないと判断できるかについてはまだわかっていません。